埼玉県道40号 秋ヶ瀬橋旧道

埼玉県は数多くの「40高中」が残る県です。中でも、最も美しい、といえるのが、廃道となった県道40号線に残る「40高中」です。私の名刺に選んだ写真も、この廃道のものです。

ここにはかつて「秋ヶ瀬橋」という鉄橋が架かっていました。昭和10年代に完成し、昭和50年代まで、荒川を渡る交通を支える役目を果たしてきました。今は新しい橋が完成し、橋梁も橋脚も取り除かれてしまいましたが、橋に続く堤のような道路が断片的に残っています。擦り切れること無く風化した、破線のセンターライン、そして黄色の色褪せた「40高中」の文字。おそらく書き直されて数年後に廃道化したためでしょう。文字の塗装の多くが通行する車両に削り取られることなく、道路標示の文字の凹凸をはっきりと感じることができます。

この廃道へのアクセスはきわめて容易。廃道の上は時々家族連れの遊び場にもなっており、より懐かしさを触発される光景に出会えることも。すぐ隣には夜間以外は無料で利用できる駐車場がありますし、ぜひ写真で見るだけでなく、実物に触れて欲しい「40高中」です。

また、対岸にも現道の高架に吸い込まれるような廃道が残存し、こちらは黄色のセンターラインと共に「40高中」の文字が残ります。現役の県道の歩道として活用されており、階段を下ると多くの人がこの廃道へと導かれます。実は車高が低くなければ車で乗り入れることもできるので、あなたの愛車と記念撮影をすることも不可能ではないかもしれませんよ。

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